今年も海や川でたくさんの人が溺れて亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。
そして、今後同じような犠牲者が減るように、僕の考えをシェアしておこうと思います。
主に下記2つに分けて書きます。
- 知っておくべきこと
- 準備すべきこと
もし読まれる場合はご注意ください。
溺れないために一番大切なこと
肺呼吸である哺乳類は溺れることから逃れることはできません。
完璧な知識、完璧な装備、完璧な訓練を受けていたとしても、溺れる可能性を0にはできません。
消防士もライフセーバーも溺れます。
イルカでさえも死因のほとんどが溺死です。
これから書く知識は溺れる可能性を減らす、溺れても助けられる可能性を増やすくらいのものです。
まずはそこを頭に入れておくべきなんです。
この気持ちが一番危ないということを頭に叩き込んでおきましょう。
海・川で溺れる可能性を減らすために
まずは危険を避けるために知っておくべきことを紹介します。
知っておくべきこと
海・川共通の知識、海の知識、川の知識に分けて書いていきます。
共通
- 息を大きく吸ってじっとすると浮く
- 体をできるだけ水中に沈める
- 人間は静かに簡単に溺れる
- 溺れてる人を泳いで助けに行っちゃダメ
1.息を大きく吸ってじっとすると浮く
泳ぎが下手な人を観察していると、必要以上に泳いでる人が多いです。
息を吸ってじっとしていれば普通に浮いていられるのに、上向きに上がろうと泳いでいます。
そんなことをしていれば体力が無くなるのは当然です。
息を大きく吸っていれば体は浮くということをまずは体で覚える練習をしましょう。
2.体をできるだけ水中に沈める
これもテクニックの1つなんですが、体をできるだけ水中に沈めるようにしましょう。
物理の話をすると、水に浮く力浮力は水の中に入っている体積が大きい方がより強く働きます。
ということは、体を水面より上にもっていくほど、浮力が小さくなって、より強く上向きに泳がないといけません。
なるべく体を水中に沈めるように意識して泳ぎましょう!
3.人間は静かにすぐに溺れる。
よく、マンガなんかではおぼれてる人が「助けてー!」とか叫んでますが、実際はもっと静かです。
溺れる=水が肺や気管に入っていることが多いので、叫ぶどころか呼吸すらできていません。
そして、子供だったら(溺れたら親に怒られるかも)大人だったら(ガチで溺れたら恥ずかしい)こういう気持ちのせいで、すぐに叫ぶことができません。
本当にヤバくなった時には叫べないので、意外と静かに溺れてしまいます…
4.溺れてる人を泳いで助けに行っちゃダメ
よくこのパターンで助けに行った人が亡くなっています。
溺れた人が助かって、助けに行った人だけ亡くなるパターンも多いです。
なぜ溺れている人を助けに行ってはダメなのか。
溺れている人の特徴はいくつかあります。
- 助かることに必死
- 人の話を聞けない
- 火事場のバカ力
- 体を水上に出そうとする
この4つの特徴から、助けに行った人が死んでしまいます。
まず、溺れている人はパニック状態で人の話なんて聞けないし、他人のことなんて考えられません。
自分が助かることに必死です。
溺れた人は助けに来た人の上に乗って、体をなるべく水上に出そうとします。
しかも、火事場のバカ力でです。
体重50㎏の人を水上に担いで余裕で泳げるという人以外は絶対に助けに行ってはダメです。
体重20㎏程度の子供でさえも上に乗られたら溺れます。
海編
- 離岸流の存在
- 堤防は意外と上がる場所が無い
- テトラポッド、磯は危険
1.離岸流の存在
離岸流の存在を知っている人は多いはずです。今や色んなメディアで名前が出てきます。
名前の通り、岸から離れる流れのこと。
海岸に打ち寄せた波(海水)が沖へ戻ろうとする時にできる。
打ち寄せた波がまとまって沖に流れていくため、周りに比べて深くなっている。
離岸流が発生しやすい場所、発生している場所は注意深く観察すれば見つけることができます。
■ 簡易的な見つけ方
- 釣り人を探す
- サーファーの荷物を探す
釣り人は離岸流を見つけてそこで釣りをすることが多いので、釣り人がいつもいるポイントは離岸流がよく発生しているポイントということです。
また、サーファーは楽に沖に出るために離岸流を使います。そのため、サーファーがいるあたりは離岸流が発生している場合が多いです。
■ 離岸流を見つけるポイント
- 離れて高い場所から探す
- 白波が立たない場所を探す
- 沖に向かう白い線を探す
- ゴミが集まる場所をさがす
・離れて高い場所から探す
近くからだと気づかない変化に気づくことができます。
泳ぐ場所についたら、まずは遠くから観察してみましょう!
・白波が立たない場所を探す
波は水深が浅い場所に来ると崩れて白波ができます。
離岸流の発生場所は回りより深いため、白波が無い場合が多くなります。
・沖に向かう白い線を探す
海岸でできた泡が離岸流によって沖に流されるため、白い線ができます。
白い線が太ければ、離岸流の幅が広く、白い線が長ければ離岸流の流れが速いということになります。
・ゴミが集まる場所をさがす
打ち寄せた波が集まって沖に流れるのが離岸流です。
そのため、流されてきたゴミが集まっていることもあります。
ゴミが集まっているのを見つけた場合は、不法投棄か離岸流を疑いましょう。
■ 離岸流が発生しやすい場所
離岸流には発生しやすい場所があります。発生しやすい場所を知っておくことで離岸流を見つけやすくなります。
離岸流ができやすいのは、『変化がある場所』です。
変化と言ってもいろんな種類があります。
- 消波ブロックやテトラの周辺
- 根(岩)のある場所
- ヘッドランド
- 河口
- ワンドの中央
どれも、潮の流れが変わって、離岸流が発生しやすいポイントです。
釣り人にとっては一級の釣りポイントということになります。
2.堤防は意外と上がる場所が無い
堤防はコンクリートでしっかりと作られていて、安心感があります。
ただ、落ちた場合は上がる場所があまりありません。
堤防によっては、漁師のための下に降りる階段が所々にありますが、大潮の干潮だと、そこからよじ登ることができないこともあります。
落ちた時にどこから上がれるかは、確実に確認しときましょう。
3.テトラポッドや磯は危険
テトラや磯は流れに変化が起きやすく、激しい波が襲ってくることが結構あります。
泳いでいて磯に叩きつけられたら、フジツボやウニでズタズタに切り裂かれます。
最悪の場合死んじゃいます。
川編
正直、海よりも川の方が危険度が高いです。
流れは海より速いし、急激に深さが変わったり、浮力が弱いなどの特徴があります。
川の危険性をまずは知りましょう。
- 底に岩があったら流れが渦を巻いて浮上できない場合がある
- 川の流れは表層と底で違う場合がある
- 川の曲がった部分は深さに差ができやすい
- 塩分濃度の関係で海より浮かない
1.底に岩があったら流れが渦を巻いて浮上できない場合がある
水の流れは想像以上に複雑で、上流から下流に向かって流れているだけではありません。
水中に岩があれば流れがぶつかって渦ができていたりします。
特に危険なのが、人工的につくられた「堰堤(えんてい)」は非常に危険。
一見何の変哲もない場所ですが、水中では水がぐるぐると回り続けて、人が中に入るとなかなか出てこられません。
自然にできてものであれば、どこかに流れが違う場所があって抜け出せるんですが、直線でできた人工物では規則正しい渦がずっと繰り返されます。
この近くでは絶対に泳がないように注意しましょう。
2.川の流れは表層と底で違う場合がある
これは海でもいえることですが、川は特に流れの変化が起きやすいです。
表層は穏やかに見えて、底の方では激しい渦を巻いているなんてことがザラです。
気を付けましょう!
3.川の曲がった部分は深さに差ができやすい
川のカーブの部分は、深さや流れの速さに変化が起こりやすい部分です。
遠心力によってカーブの外側に水が多く流れ、より深く、より早い流れになっています。
たいていの人はカーブの内側の浅瀬でバーベキューなどをして、深い所に泳ぎに行きます。
内側の穏やかで浅い流れのつもりでカーブの外側に行くと、「深みにはまった」という言葉とともに溺れることになります。
4.塩分濃度の関係で海より浮かない
シンプルに海より浮きません。
人間の体には塩が含まれていて、真水である川の水より比重が高いです。
ただ、息を思いきり吸い込んでいれば浮くことはできます。
海で泳ぎなれている人が川で溺れる時は、この浮力の差を考慮できてないことが多いです。
海・川に行く時に準備しておくべきこと
準備しておくべきことは海も川も共通です。
- 浮き輪
- ロープ
- ライフジャケット
- 場所の確認
- 人数把握
- 恥ずかしがらずに助けを呼ぶ
1.浮き輪(ペットボトルで代用可)
浮き輪はプカプカ浮いて遊ぶためだけの道具ではありません。
溺れている人の命を救うことができる、救命道具です。
泳ぎに行く時は必ず持っていきましょう!
2.ロープ
ロープがあれば溺れた人を引き上げることができます。
ナイロン製のロープは水にぬれても重くなりにくく、軽いのでもち運びにも便利です。
3.ライフジャケット
これを着ておけば相当なことが無い限り、溺れることはありません。
ただ、水の底に潜水する楽しみが無くなるのが、デメリットです。
子供には絶対に着せて泳がせるようにしましょう。
4.場所の確認
泳ぐ場所についたら、まずこの3つは確認するようにしましょう。
- 危険な場所のチェック
- 流された場合上がる場所のチェック
- 流された場合引き上げる場所のチェック
これを最初にやっておくだけで、流された場合にも冷静に対処することができます。
溺れかけながら上がる場所を確認するという難しい作業をしたくない人は必ずやっておきましょう。
5.人数把握(随時)
大人数で遊びに行ったときは、随時人数確認を行いましょう。
溺れる時は本当に静かに溺れます。
すぐに気づいて助けることができれば、助かる確率が上がります。
定期的に人数は確認しましょう。
6.恥ずかしがらずに助けを呼ぶ
人は静かに溺れるでも書きましたが、助けて!という声を出せるうちに助けを呼びましょう。
と笑われることになるかもしれませんが、溺れてニュースになって
とネット上で不特定多数に笑われるより100億倍マシです。
少しでもまずいと感じたら迷わず恥ずかしがらずに助けを呼びましょう!!!
まとめ
毎年溺れた人のニュースを見て、こうしていればよかったのに。
と思うことが多かったので記事にしました。
もちろん自分も完ぺきに実践できているわけではないので、戒めとして残しておきます。
こんな感じ!
カッパ